解説

答えは、「 AABB の最大公約数」 1-1 になります。

まず、題意を満たす和が構成可能かどうか考えると、 kA+mB=A×BkA+mB=A\times B となる自然数 k,mk,m が存在するか、という問いになります。 この時、 AA で割った余りに着目すると、 mBmBAA の倍数である必要があります。 ここで、 AABB が互いに素だと仮定すると、 mmAA の倍数となってしまい、明らかに左辺は右辺より大きくなってしまいます。 もう少し一般的に考えると、 kAkAmBmB は、どちらも AABB の公倍数である必要があります。

したがって、 AABB の最小公倍数を LL として、 kA=iLkA=iL かつ 0<iL<A×B0<iL<A\times B となる ii を選ぶ問題に帰着します。 最小公倍数と最大公約数の積がもとの 22 数の積に等しいことより、上記は 0<i<gcd(A,B)0<i<gcd(A,B) と同値です( gcd(A,B)gcd(A,B)AABB の最大公約数とします)。 したがって、これを満たす ii1,2,,gcd(A,B)11,2,…,gcd(A,B)-1 なので、 gcd(A,B)1gcd(A,B)-1 種類の構成が可能です。

考察のポイント

①:まず構成可能な条件を考える

強い方であればこのステップは踏まなくても解けてしまうと思いますが、初手の方針で迷った場合にはまず、 「構成可能かどうか」のみに着目して考えてみるのも有用な一手です。「条件を満たすものの数え上げ」においては、 「条件を満たす」の部分を適切に言い換えることが重要な場合があるうえ、 いきなり数え上げを考えるよりも一旦難易度を落としておいた方が、考察を進めやすくなるはずです。

②:式変形して条件を言い換える

この問題においては、左辺の項の片方を移項してみると AA または BB でくくることが出来るようになります。 条件が数式で表されている場合、同じ文字をまとめてみる、というのは有効な一手である可能性が高いです。 また、それに限らず、数式というのは、条件を高度に操作可能に言い換えた形であり、ある種意味を無視した抽象的操作が可能であることが大きな強みですので、 様々な形の式変形を試みてみることで思いもよらぬ性質を導き出すことが出来る可能性があります。 (式変形で機械的に導いたものが、あとで意味を考えるときれいな解釈でつながる場合もあります。 数式というのは、ある種そのような「発想」を機械的変形で補完することの出来る道具とも言えます。)