解説

この問題は得点についての二分探索を行うことで O(logN)O(log N) で解くことができます。

まず、NN 回の移動の軌跡で作れる多角形の面積の最小値は N21\frac{N}{2}-1 です。
(11 辺の長さが 11 の正方形のブロックを kk (<N21)(<\frac{N}{2}-1) 個を繋げて、周の長さを NN 以上にすることはできないからです。)

また、NN 回の移動の途中で訪れた格子点の xx 座標の最大値が XX のときに、面積が最大となる多角形の 11 つに、
原点を頂点の 11 つとする、xx 座標に平行な辺の長さが XX 、周の長さが NN の長方形があります。
このとき、 yy 座標に平行な辺の長さは N2X\frac{N}{2}-X となります。
X<N2XX<\frac{N}{2}-X のとき、長方形を原点を中心に 9090 度回転させると xx 座標の最大値を N2X\frac{N}{2}-X にできるため、
最適ではありません。以下では N2XX\frac{N}{2}-X \leq X すなわち、N4X\frac{N}{4} \leq X の場合で考えます。

得点(xx 座標の最大値)が XX となるように移動するとき、上記より多角形の面積の最小値は N21\frac{N}{2}-1、最大値は X(N2X)X(\frac{N}{2}-X) となりますが、
実は、 N21\frac{N}{2}-1 以上、 X(N2X)X(\frac{N}{2}-X) 以下の任意の整数の面積の多角形を作ることができます。
具体的には、長方形をベースにして、そこから減らしたい面積の分だけ内側を通ればよいです。

以下の図のように、周の長さが NNであり、 xx 座標の最大値が XX であるような多角形の面積は
N21\frac{N}{2}-1 以上、 X(N2X)X(\frac{N}{2}-X) 以下の任意の整数にすることができます。
(外枠の赤線が軌跡を表しています。)

つまり、この問題は N21MX(N2X)\frac{N}{2}-1 \leq M \leq X(\frac{N}{2}-X) であるような最大の XX を求めよ」 と言い換えることができます。

MX(N2X)M \leq X(\frac{N}{2}-X) である最大の XX」は、N4X\frac{N}{4} \leq X の範囲において f(X)=X(N2X)f(X)=X(\frac{N}{2}-X) が単調減少であるため、
二分探索を用いて求めることができます。